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三月遊び

2014年04月02日

Posted by かりゆし企画 at 17:01│Comments(0)

今日は、旧暦3月3日です。



沖縄では、【浜下り】(ハマウリ)という行事があり、少しばかり、お話をしたいと思います。

今年だと4月2日にあたる、旧暦の3月3日が【浜下り】(ハマウリ)とされています。

3月3日は「女の節句」とされ、いわゆる「ひな祭り」とも結びつくのですが、女性が主役となる行事になります。

旧暦は月の満ち欠けを元にした暦(こよみ)ですから、これは海人(ウミンチュ)にとって大事な「潮の引き」と関係しています。旧暦の3月3日は、年間を通して干満の差が大きく、干潮時には浜辺が最も広がる時期なのです。

この日は家族で海岸に出て、潮干狩りをする姿などを見かけたりします。あるいはクワッチー(ご馳走)など持って行き、ピクニック気分を楽しむ家族もいるでしょう。しかし、女性が海や川に出かけ「身の汚れを払う」、いわゆる「みそぎ」を行うことが【浜下り】(ハマウリ)の本来の形です。

宮古にある広大なサンゴ礁群・八重干瀬(ヤビジ)。普段は海面下にあるサンゴ群が、旧暦の3月3日はまるで島が現れるように姿を見せます。ここに女性が集まり、波を浴びて身を清め、神に祈りを捧げたのです。

この【浜下り】(ハマウリ)は、宮古ではサニツ、八重山あたりではサニジとも呼ばれるそうです。

以前、【ひな祭り】(←クリックすると、【ひな祭り】の記事へ)の行事についてのお話をしたことがあります。「上巳(じょうし)の節句」という風習で、厄払いのために川などで水を浴び身を清める「みそぎ」を行う風習なのですが……

寒いので、木や藁(わら)で人の形を作り、それを身代わりとする「人形(ひとがた)」を川に流す事によって「みそぎ」をさせたわけです。この「人形(ひとがた)」が「雛人形」の原型。だから「3月3日を過ぎても、雛人形を片付けない」というのは「みそぎが出来てない」=「厄払いが出来ていない」という事になり、「婚期が遅れる」なんて言われたりするのです。

気候の暖かい沖縄では「人形(ひとがた)」を使うことはなく、女性自身が身を 清めます。

この行事の際、例えば那覇では三枚肉や魚のてんぷらなどのクワッチー(ご馳走)を重箱に詰め、浜に出かけたりしました。うるま市勝連では、ノロ(女性の神官)を中心に健康祈願をし、歌や舞を踊り潮干狩りを楽しんだりしました。宮古や八重山では、よもぎ餅を神仏にお供えし健康祈願してから、浜に向かい「みそぎ」をしました。

特に宮古では、潮や砂にふれることで身の汚れをはらうと言われたため、海にいけない病人や老人のため、砂や潮を持ち帰る人もいたそうです。

そして!

この【浜下り】(ハマウリ)と言えば、とても有名な沖縄の伝説がありますよね。【アカマタ伝説】です。

昔むかし、平良(ひらら)という所にそれはそれは、たいそう綺麗な娘がいました。彼女が15歳の頃、毎晩娘の元へ通ってくる男がいました。そして娘は妊娠してしまいます。困惑した娘の母は、男の正体を探ろうとします。

糸をつけた針を娘に渡し、男の髪にその針を刺すよう言いつけました。その糸をたどっていくと、糸は漲水御嶽(はりみずうたき)の穴まで続いていました。その穴を覗くと2匹のアカマタ(蛇)が!

1匹のアカマタは「娘に自分の子を宿させた」と言います。もう1匹のアカマタは「3月3日に海へ行き、【波を七回(ミナンガナパ)】浴びたら、 海水に清められてしまうぞ」と、言いました。

これを聞いた母親、すぐに娘を浜に連れて行って波を浴びさせ、おなかに宿したアカマタの子を落とさせたそうです。

それ以降、旧暦の3月3日になると女性たちは浜へ降り、身を清めるようになった…… それが【浜下り】(ハマウリ)という行事になったのです。

沖縄における【浜下り】(ハマウリ)という行事は、【アカマタ伝説】が元になっていたんですね。



今日は、海産物をたらふく食べたいと思います。





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